技・人・国で在留期間が長くなり、将来的な事を見据えて永住権を取得したい。このパターンが一番多いと思います。今回は、技・人・国から永住権の申請をする際の注意点をご紹介いたします。
1.素行善行要件
①懲役・禁錮・罰金 | ないこと。もし該当する場合は、出所後10年を経ていること。(執行猶予の場合は5年経過していること。) |
②罰金・拘留・科料 | ないこと。該当する場合は、払い終えてから5年 |
③軽微な違反 | 直近2年以内に2回以下(交通違反の場合であれば、駐車違反、一時停止違反、携帯電話使用違反など) |
④家族帯同の同居 家族 | 28時間/週の厳守 (違反していた場合は、訂正後一定時間の経過が必要。5年程度が目安) |
以外と見落としがちなのが、④です。申請人本人の素行にばかり目が行きがちですが、配偶者や子供が申請者の家族帯同資格で在留している場合は、申請者に配偶者や子供の監督責任がありますから、彼らも含めた素行要件となります。③の回数は目安です。5回の違反をしていたが、5年間で見た場合に5回だったので、許可が下りた例もあります。運転記録証明書を取れば明確に分かります。
交通違反について少し詳しく言いますと、飲酒運転とか人身事故の加害者、免許停止等重大な違反の場合は、軽微ではありませんので5年の経過が必要です。
2.独立生計要件
技・人・国から申請する場合は、会社員である事が多いと思いますが、
✔ 過去5年間に亘って最低300万円の年収がある事が必要です。
✔ 配偶者や子供がいる場合は、扶養している家族一人に付70万円程度の加算が必要
になります。
しかし、この300万円は絶対か?というと東京の様な都会では厳しい様ですが、地方だと多少は緩和される様で、200万円台でも許可された例もありました。
3.国益適合要件・・・その申請人の永住は日本の国益になるものか
① 引き続き10年日本に在留し、このうち直近5年以上就業資格で
日本に在留していること
✔引き続き10年の意味:『引き続き』とは、途切れることなくという意味です。
年間100日以上出国している場合や、1回の出国期間が3か月以上に及ぶ場合 は
『引き続き』在留していたとみなされません。
結構容赦がないところで、たとえ社命による長期の出張であろうと、出産による
ものであろうと原則一旦リセ ットされてしまいます。
極端な事を言うと、9年引き続き在留していたが、10 年目に、例えば半年日本
を離 れただけで、また10年間を一から始めなければならないって事なんです。
✔直近5年間の就労:会社勤務を5年して、退職して1年離職した後4年間就労したと
いう様な場合は、申請をもう1年待ってください。転職は問題ありません が、アルバ
イトは就労と認められません。
守れなかった時は?
よんどころのない事情により、引き続きが守れなかった場合は日本に根を張って生活している事をアピールしましょう。理由書になぜ引き続き在留出来なかったかの理由を充分に説明し、日本に不動産を持っているとか、子供が日本の学校に通っている事等を強くappealします。
② 納税の義務等公的義務を適正に履行している
✔住民税、国民健康保険料、国民年金等を適正に支払っている。
住民税、国民健康 保険料、国民年金の3つは必ず納期を守って納付している事が絶対条件
に なりま す。会社で給与天引きで支払われている場合は問題ありませんが、自分で払っ
て いる場合は領収証を見て納期を守っていたかどうかを確認して下さい。ここも厳 格
です。身内に不幸があった等各個人別に諸事情はあると思いますが、納付期限 が8月31
日の住民税を9月1日になって払っても、納税の義務を適正に履行しているとはみなされ
ません。
守れなかった時は?
2年間納期厳守の実績を作ります。実績が作れたら、申請する時に添える理由書に、
なぜ守れなかったのか、十分反省している事、今後確実に守るためにどの様な対策を考えているか
を書きます。滞納した保険料等を一括して払えば良いんだろう?と考える人がいますが、これはNGです。
決められた金額を、決められた期限通りに払っていたかどうかが問われます。
③ その他の国益合致要件
上記2つがメインとなるチェックポイントですが、その他
1)現に有している在留資格の最長の在留期間で在留していること。技・人・国の 場合
最長は5年ですが、3年なら可です。
2)公衆衛生の観点から有害となるおそれがない事。これは健康診断書をつければ 良い
です。
4.身元保証人がいること
① 身元保証人になれる人
身元保証人になれるのは、日本人か永住者のみです。その他の資格在留者では身元保証人に
なれません。
仲のいい同僚にお願いするのは、気軽でいいかもしれませんが、当人がどちらかに該当しな
いと保証人になれません。
② 提出する書類
1)身元保証書
2) 身元保証人に関する書類(運転免許証等)
今は、この2つだけです。以前は、日本人か永住者で安定した収入があり、
納税していることという要件があったため、納税証明書や収入を証明する書類が求められましたが、
今はこれらの書類を提出する必要はありません。
しかし、保証人として適格かどうかという事は、相変わらず問われています。
もし入管の調査があっても何ら問題が無いように、
①職に就いている人 ②年収が300万円以上ある人 ③住民税等をきち
んと納め ている人
にお願いすべきでしょう。
身元保証人には法的責任はない。
身元保証人というと、申請人が金銭トラブルがあったとか刑事事件に巻き込まれた時に自分にも類が及ぶんではないか?
としり込みをする人がいますが、そのような法的な責任は全くありません。
身元保証書には
私は(保証人は)上記の者(申請者)の永住許可申請にあたり、本人が本邦に在留中、本邦の法令を遵守し、公的義務を適正に履行するため、必要な支援を行う事を保証致します。 |
とあるのですが、これは日本人若しくは先輩の永住者として、新規に永住者となる者が日本で生活して行くに当たって分からない事は教えたり、迷っている時にアドバイスします。という位の意味です。
■ お急ぎの場合は、お電話で
月~金:9:00~18:00、土:9:00~12:00
047-400-8011、080-4000-3580(携帯)
■事前にご予約いただければ、日曜、祝日も対応
致します。