日本で結婚した外国人配偶者に子供がいて、その子が配偶者の母国で暮らしている場合日本に呼んで一緒に暮らしたいと考えるようになるかも知れません。どの様にすればいいのでしょうか?今回は外国人配偶者の連れ子を呼ぶ場合について考えてみます。

国際結婚

連れ子の在留資格

外国人配偶者の母国にいる子供を日本に呼ぶことは可能です。在留資格の『定住者』を申請します。しかし、子供の条件として

✅未成年である事 (20歳未満)

✅未婚である事

の2つが求められます。ただ、高校を卒業した18歳、19歳だと未成年ではあるが自活できる能力があるのではないか、と判断されやすく、不許可になる場合が少なくないことは念頭に置いておいてください。親と一緒に暮らしたいのではなく、就労が目的ではないか?と思われるかも知れないという事です。

連れ子との係りを説明

外国籍の子供を日本に呼ぶ場合、学校はどうするのか、日本人の夫(妻)はどのように養育に係って行くのか、今後どの様に育てて行くのかを具体的に出入国在留管理庁に提出する『申請理由書』に書きます。以下のサンプルを参考にしてください。

東京出入国在留監理局長 殿                                   
令和5年12月26日

                      氏名  :山川 一郎
                      住所  :東京都港区六本木1-2-3
                      電話番号:090-1234-5678
申請理由書

私は、中国籍 陳麗雪の日本人の夫山川一郎と申します。妻は日本人の配偶者等の在留資格を頂き、現在私と共に生活しています。現在は何不自由なく暮らしておりますが、妻が日本で生活することになってから、妻の実子である 陳実健が一人で中国に取り残されることになっております。
来年、中学校を卒業して高校に進学する予定ですが、できましたら私たち夫婦の下で生活できるようにしたく、今回の在留資格認定証明書の交付申請をさせていただきました。
今後は、妻とその息子である、陳実健と共に生活を営む予定であり、日本で高校に進学させ勉強が出来るように支援をしていく所存でございます。生活費及び学費も全て私が負担していきますので、どうか日本国内で生活出来る様にお願い申し上げます。
妻は母国に残してきた息子のことを思い、精神的にも不安定な状況に置かれております。何卒、私たち家族が皆一緒に日本で生活できる様宜しくお願い申し上げます。
息子が来日したら家族全員で助け合いながら、幸せな家庭を築いてゆきたいと思っております。家族が増えますので、今まで以上に仕事にも励み経済的な安定も図って行くつもりです。

以上のような理由により、息子に定住者の在留資格認定証明書を交付して頂けますようお願い申し上げます。

養子という選択肢

どのような者に定住者の在留許可を与えるか、を定めた定住者告知というものがあります。その中の7番目に『日本人の扶養をうけて生活する6歳未満の養子』は定住者に該当する。という規定があります。外国人配偶者の子供を自分の養子にすることも一法だと思います。

審査上の注意点

連れ子を日本に呼ぶ場合、日本側で扶養できる十分な資力があるかどうかが審査されます。また、連れ子に対する今までの扶養実績もチェックされます。住民税の課税・納税証明書の他に会社勤務の場合は在籍証明書を、自営業の場合は確定申告書の控えの写しや営業許可証の写しを添付する等して扶養家族が増えても経済的に問題がない事を証明します。
また、子供は扶養を受けて生活しますので、基本的には両親の住所と一致している必要があります。

20歳以上の連れ子

外国人配偶者の20歳以上の子供は定住者では呼べません。成人しているのであれば、自活できるはずでそのような人を日本で扶養するのは国益に合致しないとか、就労目的ではないのかとみなされるからです。
日本に来たい場合には、日本語学校・専門学校・大学等への留学ビザ、親族を訪問する短期滞在ビザを取得することになるかと思います。

前述しました様に未成年とはいいながら、20歳近くになると審査も難しくなって来ます。対象になる連れ子がいる場合は、できれば高校に入学する前に今後どうするのかを決めた方が賢明だと思います。一家揃っては理想ですが、各家庭での事情もあるでしょうし、お子さんの意見も尊重すべきと思います。皆さんにとってより良い選択ができます様に、この記事がご参考になれば幸いです。

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