外国人で、日本の大学を卒業後、技・人・国の在留資格で3年程度就労していて、現在30歳年収は450万円。高度専門職のポイント計算をしてみたが、50点台。70点は遠いなぁ、高度専門職は、高嶺の花か、、、と諦める前にポイントをupする努力をしてみませんか? "There is a will, there is a way." 時間やお金をかける覚悟はいりますが、70点を目指して頑張ってみてはどうでしょうか?

【お断り】現在 、技・人・国で就労している人で、高度人材1号(ロ)を目指す人を対象にしています。(イ)、(ハ)には当てはまりません。

高度人材

 

優遇策の確認

既に、高度専門職へのグレード・アップを検討してみた方は、高度専門職になれた場合どんな優遇を受けられるかは認識されていると思います。受けられる優遇制度については、『70点ありますか?お父さん、お母さんと暮らせますよ!に詳しく書きました。冒頭で書いたモデルケースに当てはまる方向けにメリットを深堀してみると、以下の様な点を再発見できると思います。

起業への準備として

就労系の在留資格は、原則一つの仕事しかできません。しかし、高度専門職を取得出来れば、『現在の業務に関連している事』という条件が付きますが、自分で会社を興して経営する事が出来ます。イメージとしては、技・人・国と経営・管理の在留資格を同時に持てる、といった感じです。

配偶者の就労緩和で世帯年収UP

『教育』、『研究』、『技・人・国』、『興行』に該当するものに限られますが高度専門職の配偶者は、学歴要件や職歴要件なしで就業が可能です。注目したいのは、技・人・国相当の職業に大学を卒業していなくても就ける事です。
●例えば、特定の国の外国人を多数雇っている中小企業とか、特定の国との取引が多い中小企業等で、ベトナム語やタイ語等の特殊言 
 語が話せる人へのニーズがあります。この様な企業でフルタイムで働けば、世帯年収を上げられます。

親を呼んで可処分所得を増やす

世帯年収が800万円になれば、条件はありますが、自分若しくは配偶者の親を呼ぶことが出来ます。家事労働や育児を親に負担してもらえれば、その分のコストが軽減されますから実質的な可処分所得が増えます。

●受けられる優遇措置

在留期間5年が直ぐ取れる

技・人・国で、在留期間5年を取るのはとても大変です。大方の人には、初年度は1年しか出ません。2~3回更新をしてやっと3年が認められます。在留期間5年を取ろうと思ったら10年位かかりそうです。高度専門職に該当すればいきなり5年が出ます。在留期間の更新に煩わされる事がありません。

永住権が短期間で取れる

70点を永住権申請の前年まで、3年連続で取れていれば永住権が取得できますので、就労に関する制限がなくなります。もし、最初の起業が上手く行かなくて、次は業態を一新したいと思った時でも実行が可能です。配偶者も外国人なら【永住者の配偶者等】に変更できますから、全ての職業に制限なく就くことが出来ますので、世帯収入をアップさせる事に繋がります。

この様に高度専門職になれれば、配偶者がフルタイムで働ける様になりますので、家族滞在で28時間/週しか働けない技・人・国に比べて、各段に世帯収入を増やす道が開けます。これから子供の教育費や住宅の確保にお金が必要な若い世代にとって、高度専門職の取得は、大きなメリットがあると思います。

現在のポイントを確認する

ポイント計算は、何度もしていると思いますが再度確認して行きましょう(ポイント計算表)

学歴要件

大学を卒業している・・・+10点

日本の大学を卒業している・・・+10点

法務大臣が告示で定める大学を卒業している・・・+10点

法務大臣が告示で定める大学・・・2023年9月現在、該当する日本の大学は128校です。超一流校、有名校や医科大学が多いものの14校は中堅の私立大学です。あなたの学校もあるかも知れませんので探してみてください。

職歴要件

  • 3年以上・・・+5点
  • 5年以上なら・・・+10点    ※(高度専門職(イ)、(ロ)の場合)

母国の高校を卒業して、来日し2年程度日本語学校に通い、大学を卒業して24歳。30歳なら5年以上のキャリアを積んでいることになります。ここまで順調に行っていなくても27歳で社会に出ていれば3年のキャリアは積めています。

ここで、注意が必要なのはキャリアが一貫しているかどうかです。転職は何度かして会社は変えているけれど、IT系の専門分野を貫いていて、IT系の資格をいくつか取得しているというのは、キャリアの一貫性に説得力があります。しかし、有名企業を何社も渡り歩いていても、キャリアに一貫性が無ければ職歴要件はパスしません。

年齢要件

  • 29歳以下・・・+15点
  • 34歳以下・・・+10点

年収要件

高度専門職(ロ)の場合、年収は300万円以上あることが必要です。

  • 29歳以下で400万円・・・+10点(以降1000万円まで100万円増えるごとに+5点)
  • 34歳以下で500万円・・・+15点(以降1000万円まで100万円増えるごとに+5点)

年収については、扶養手当、通勤手当、住宅手当等実費弁済的なものは含まれません。ボーナスや残業代過去のものであれば含められます(課税証明書、納税証明書で立証)。永住申請を出す場合は、申請する直近の3年間が連続で70点であった事に加えて、これから申請する分(4年目)の見込み年収を出します。これに残業代は入れられません。ボーナスは、会社が見込み年収の中に入れてくれれば加算できます。

また、年収は額面であり手取り金額ではありません。

不足している点数の補充策

如何でしょうか?現在のあなたのポイントは何点でしたか?50点以上ぐらい有れば、今後のあなたの努力次第で70点を目指せると思います。いづれもかなりの努力を必要としますが、高度専門職の取得に価値を見出せる方はトライしては如何でしょうか?以下の様な方策があります。

  • MBAを取る・・・+15点(MBAの加算は25点です。大学を出ている事で既に+10点と計算していますので、実質+15点の
             加算です)
  • 日本語検定N1を取る・・・+15点
  • 日本の国家資格を取る・・・+10点
  • 職務に関連する外国の資格を取る・・・+5点

MBAを取る

MBAを取るハードルとして、入学の難易度、2年間という時間の捻出、300万円位かかる学費、働きながらの勉学という問題があると思います。考えられる解決策を見てみましょう。

  • 1.入学の難易度:これは大学院によってまちまちでしょう。
    大体定員は100名以下のところが多いですが、中には定員が1100人という様な所もあります。
    また、大学の知名度が低い大学院は、入学がし易い傾向にあると想像できます。(在籍している生徒の8割が外国人という大学院もありました。)
    かわったところでは株式会社が運営している大学院大学もあります。文科省のリストに載っていますのでMBAとして認められます。
    ●専門職大学院(文部科学省)

(※このリストに載っていなくてもMBAと認識されます。内容がMBAに相応しいものであれば良いのだそうです(文科省談)。ですので、リストに無いからと諦めず、ご自身で大学院に問い合わせてMBA該当の有無を確認して下さい。

  • 2.時間の捻出と仕事との両立パートタイムMBAを選ぶ。社会人の学生を想定して、土曜日に集中して講義をしたり、平日でも19時開始というところもあります。また、社会人の受講を想定して全てオンライン授業を行っているところもあります。
  • お金の工面:2年間で2~3百万円かかりますので、若い世代にとっては大きな金額です。費用の工面方法としては、

    ■奨学金(結局は借金ですが)を利用する、
    ■大学院によっては条件により学費の一部免除を受けられます
    ■社会人としてハローワークの助成を受ける(受給資格の審査がありますが、パス出来れば年間56万円の給付があります)

    等があります。

    ●厚生労働省教育給付金制度

MBAの取得はお金と時間がかかることが最大の欠点ですが、その代わり入学出来れば、2年間で確実に+15点を手に入れられるというのが最大の利点です。

日本語検定N1に合格する

漢字を使用しているのは、日本以外では中国だけでそれ以外の国の人にはN1は相当ハードだと聞いています。しかし、MBAの取得に比べて、お金と時間の制約がありません。合格は自身の努力次第です。(BJTビジネス日本語テスト480点以上もN1同等と認定されます。)
企業からも高く評価される資格ですので、より良い条件の会社に転職でき収入増と共に年収ポイントを上げられる可能性もあります。

日本の国家資格等を取得する

この項目で加点されるには、以下の要件を満たしている必要があります。大きく分けて2つのグループに分かれます。資格要件を見ると、IT関連にかなり有利になっている事が分かります。
第二グループであれば、IT関連業務に従事していれば、一つはITパスポートの様な易しい国家試験でも可という事です。法務大臣告知の中でも難易度が低い情報セキュリティマネジメント試験に合格すれば、+10点が加点できます。

注意:ポイント計算表の表記の見方には注意が必要です。2.には外国の試験が含まれていますし、3.はシンガポールと韓国のものです。全て日本の国家資格というものではありません。
また、『1つ5点』という表現も、1つでも5点加点されるのか、3つなら15点もらえるのか、という誤解を生みます。第一グループか第二グループの条件を満たして+10点です。

資格要件第一グループ

以下の1~3までのうちの一つ以上に該当すること。

1.従事している業務に関連した、業務・行為独占もしくは名称独占日本の国家資格二つ以上保有している事。
  業務・行為独占資格:医師、弁護士、司法書士、行政書士等  名称独占資格:中小企業診断士、技術士等

2.法務大臣が定める情報処理技術に関する試験に二つ以上合格している事

  (情報処理技術に関する法務大臣告知の第1号から第10号に該当。1号は日本の資格ですが、2号は中国、3号はフィリピン、4
   号はベトナム、5号はミャンマー、6号は台湾、7号はマレーシア、8号はタイ、9号はモンゴル、10号はバングラデッシュ
  の資格です。母国の資格が有効です。)

3.法務大臣が定める情報処理技術に関する資格を二つ以上保有している事
  (情報処理技術に関する法務大臣告知の第11号から第12号に該当)
  (11号はシンガポールのCITPMのことであり、12号は韓国の情報処理技師か情報処理産業技師の事)

●情報処理技術に関する法務大臣告知

資格要件第二グループ

以下の1~3の内の二つ以上に該当すること。

1.従事する業務に関連する日本の国家資格を保有していること。

2.法務大臣が定める情報処理技術に関する試験に合格している事

3.法務大臣が定める情報処理技術に関する資格を保有している事

外国の資格

これにも、『職務に関連する』という但し書きが、ついています。この中で、一般的なホワイトカラー職の人が日本に日本に居ながら取得できる資格としては、USCPAぐらいでしょう。まず、会計事務所や企業でも経理・管理部門等に勤務している事という制約が付く上、USCPAは難関試験で会計の知識がある人でも1~2年はかかりる様です。更に実務1年を経ないとCPAと名乗れませんから(=資格holderと認定されない。また州により実務年数の要件は異なります。)ポイントの加点だけで考えると、MBAの取得の方が有利だと思います。専門の学校に通ったり、受験費用を考えると最低でも100万円位の投資が必要になります。

ただ、USCPAは会計士として高く評価されますから、英語が堪能であったり、例えばベトナムの会計事務所と連携している日本の会計事務所では、ベトナム語を母国語と話す人は、欲しい人材でしょうから人材市場での付加価値の向上という点では、有望だと思います。
●30歳で年収400万円の人が34歳までにUSCPAを取得し、会計事務所に転職して仮に年収を600万円に上げられれば、
 最大で+25点あげられます。

高度人材で加点になる外国に資格

 

如何でしたでしょうか?どの方法も時間と努力と場合によっては大きなお金が必要です。それでも、日本でずっと働いていたい、将来も日本で暮らしたいと考えている若い世代の人は検討されては如何でしょうか? MBAホルダーになれたり、N1や資格取得が出来ればあなたの市場価値は格段に上がります。もう一段、二段上のステージに上れるチャンスがあるかも知れません。

 

お急ぎの場合は、お電話で
 月~金:9:00~18:00、土:9:00~12:00
  047-400-8011、080-4000-3580(携帯)
事前にご予約いただければ、日曜、祝日も対応
 致します。